Upcoming Exhibition
海老澤研油彩画展 Endless Talk 「おわりのないおしゃべり」
2026年4月10日(金)〜4月16日(木) 11:00AM〜6:00PM 最終日4PMまで
2023年に始まる一連の油彩画個展は今回で6回目、Gallery 5610では3回目になります。 「約束の園」、「こころの園探訪」、「色の物語」、「多層的言語」、「景色の内側で」、 そして今回のタイトルは「おわりのないおしゃべり」。
海老澤研 油彩画展
Endless Talk 「おわりのないおしゃべり」
2000年以降、油彩画で風景や静物、花を描いていたが、最近は抽象画が中心だ。
相変わらずキャンバスに向かい時間をかけて絵具を塗り重ねていく。 アタマの中はコトバの洪水だが、そのおしゃべりを聞いている訳にもいかない。答えをコトバの中に探してみてもうまくはいかず、次の一手をさぐる。外れることもあるが当たることも多い、いや当たるまでやるのだ。色を選んだら次は筆で塗るという作業だ。筆跡(ふであと)が進路を決していき、顔料の作り出す糊塗面が躍動する生(せい)の感覚を産みだす。
なぜ人は絵を描くのか?
美とは何か?
今、思い浮かべる二つの問いだ。
人はなぜ絵を描くか? 人間は「ないもの」を想像することができる。 そして、見えないものを描く。 アタマの中の像とコトバと目の前の絵が共鳴する。
美とはなにか? 完璧さを求めること。完璧とはうまく機能しているという感覚。 この感性を人間は磨き続けてきた。
美しいという感覚は視覚のみならず、聴覚、味覚、触覚など五感のすべて、さらにはより精神的な、善悪、道徳、倫理にも適用できる感覚なのである。
感覚を磨くというのは、感覚そのものを敏感にするというよりは、脳内に映ずる像を、彫刻のように、研磨あるいは肉付けしていく作業なのだ。 その過程にモノを認知する段階もあり、抽象化して素材とすること、発達した神経系と筋肉を使ってモノを作り出すこともできる。 脳内ではこうして一種の認知の純化が行われる。
発見の順序はこうだ。
1 色 ― 感覚
2 ことば ― 概念
3 神 ― 完璧性
4 認識 ― 世界 客体
5 意識 ― 自己 主体
絵画が表現するものは日常的なものではない。 それは呪術的であり、宗教的であり、哲学的であり、超越的な何かだ。 階層的な精神を貫く何かである。 ことばと物語は視覚イメージに結びついている。
人間を人間にした果てしないおしゃべりは暗闇の中の一筋の光のように人間を導いてきた。
春を迎え、僕の脳内に様々な物語が芽を吹く。
2026年2月23日
海老澤研
海老澤研 (EBISAWA Ken)
1952年東京渋谷に生まれる。慶応大学東洋史科を卒業後、南北アメリカを放浪。
1982年からブラジル、リオ・デ・ジャネイロに居住し、パルケ・ラージ・アートスクールにて絵画を学ぶ。87年ペトロ・ブラス・ギャラリーで初の個展。
2002年に帰国後、2007年に油彩画展「リオの肖像」、2015年写真展「ジェンチ」、2023年に油彩画展「約束の園」(Gallery 5610)、2024年2月に油彩画展「こころの園探訪」(神楽坂白日居)、9月に油彩画展「色の物語」(銀座Art House)、2025年1月に油彩画展「多層式言語」(Gallery 5610)、10月に油彩画展「景色の内側で」を開催。
現在は日本、ブラジル、オーストラリアで制作活動を続けている。



