Upcoming Exhibition

Photographic Art Asia 2025展
2025年9月30日(火)〜10月5日(日) 11:00AM〜6:00PM
近年、写真表現は報道や記録の枠を超え、芸術としての在り方が再び注目されています。作家自身の視覚と言語を軸に構築される写真による創作は、あらためて「ファインアート・フォトグラフィ(美術写真)」という言葉で再定義されつつあります。その実践を継続的に行っているのが、日本を拠点とする創作グループ Photographic Art Asia(略称:PAA)です。
PAAは2011年以降、毎年1、2回のグループ展を開催しており、今回で16回目を迎えます。2025年の展覧会は、9月30日(火)から10月5日(日)まで、東京・南青山のGallery 5610で開催され、10名のアーティストが参加します。多様な視点をもつ作家たちが、それぞれのテーマや技法を通じて、美術写真の可能性を探求します。
安齋英明は「砂」の痕跡に、海のゆらぎ、波動の力を表現、伊藤計一は俳句〈古池や〉から着想を得て、池水の存在や詩性を再構築します。荻嶋留美は静かな山の中での自然との心の対話を繊細に描き、春日広隆はアメリカ西部の風景を大判プリントで提示し、自然界の時の流れを描き出します。小嶋三樹は樹木の存在や宇宙のエネルギーをテーマとする創造性の高い作品に挑戦、角田直子は植物が織りなす光や形の美を澄んだ目で見つめて表現します。土居慶司はふと立ち止まった日常の風景から非日常性を見つめた不思議な美しさを放つ作品を展示します。Coju Hemmiは静けさの中に潜む気配や、音として顕在化する直前の情感を感じさせるようなランドスケープを描き、Wynn Whiteは被写体のフォルムを見つめ作者の心との関係性に焦点を当てます。
なお、今年3月にはPAAが初めて台湾で開催されたSKM PHOTOフォトフェアに招待され、台湾の写真作家たちと深い交流を行いました。フェア終了後、台湾から3名のアーティストがPAAに加入し、そのうちの一人である台北出身のERR-ik(許愷中)が本展に参加します。彼のシリーズ《42》は、映画やドラマから42秒間のシーンを抽出し、長時間露光によって記憶と時間の重なりを一枚の抽象写真へと凝縮する作品です。
本展では、各作家がそれぞれの視点と問題意識をもって、写真というメディアを通して問いかけを試みています。個人の凝視から詩的な構築へ、記録性から創造性への転換。美術写真の現在地を静かで力強く提示する、深い思索に満ちたグループ展となるでしょう。
ー Photographic Art Asia ー
<出展作家>
安斎英明(Hideaki Anzai)
伊藤計一(Keiichi Ito)
許愷中(ERR-ik)
荻嶋留美(Rumi Ogishima)
春日広隆(Hirotaka Kasuga)
小嶋三樹(Miki Kojima)
角田直子(Naoko Tsunoda)
土居慶司(Keiji Doi)
Coju Hemmi
Wynn White
主催|Photographic Art Asia(PAA)
お問い合わせ| info@artphotographyasia.com
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